メジャーな英語の資格といえばTOEIC!しかし、「自分にはちょっと難しそう…」と感じて、なかなか一歩目を踏み出せない方もいるでしょう。
しかしTOEICは、数ある英語資格の中でも初心者に優しく、学習にも取り組みやすいのが特徴です。
今回は、TOEIC950点の筆者が感じる、TOEIC受験の8つのメリットを紹介します。
TOEIC®とは?基本情報をおさらい
TOEICは、世界約160ヶ国で実施され、おもにビジネスシーンに特化した英語力を計る試験です。
英検などとは異なり、合否ではなくスコアで評価される点が大きな特徴の一つです。
TOEICには以下の5種類があり、各試験が毎月1回開催されます。
TOEIC® Speaking & Writing Test
TOEIC® Speaking Test
TOEIC® Writing Test
TOEIC® Bridge Tests
※一般的にTOEICといえば、「TOEIC® Listening & Reading Test」のことを指します。本記事でもその前提で話を進めます。
TOEICのメリット8選
日本で最もメジャーな英語資格であるTOEICですが、スコア取得をすることで、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
現状の客観的な英語力を計ることができる
TOEICを受験すれば、今現在の自分の客観的な英語力を計ることができます。
特に、「英語の勉強を始めたいけれど、学校卒業以来まったく触れていない」「自分の英語の現在地を確認して、明確な目標設定をしたい」という初心者の方には、まずTOEIC受験をおすすめしたいところです。
TOEICは毎月開催されており、気軽に受験できます(英検の開催は年3回)。
合否がなく、モチベーションを維持しやすい
TOEICには合否がなく、5点刻みのスコア制(10~990点)であるのも、地味に嬉しいポイントです。
初級者も上級者も、受ける試験はまったく同じです。
「どの級から受けるべきかわからない」「この級を受けるなら、しっかり準備してからにしよう」などと考え、いつまで経っても受験できないという本末転倒も回避できます。
また、不合格を連発して自信をなくすことがないので、学習のモチベーションも比較的保ちやすいです。
「先月より〇点上がった!」「過去最高点ゲット!」など、合否には現れにくい小さな進歩を確認できるのも、TOEICならではの魅力でしょう。
5点上がるだけでも、めっちゃ嬉しいからね!
就職、転職時の強いアピール材料になる
グローバル化が加速する近年、新卒や中途採用の条件として、TOEICスコアを設定する企業は年々増えています。
しかし裏を返せば、TOEICスコアがないとどんなに優秀でも足切りになってしまいます。
採用条件としてTOEICスコアを求める企業の例は、以下のとおりです。
- ソフトバンク(730点): 新卒・一般採用
※900点以上で100万円、800点以上で30万円支給 - 楽天(800点):全採用 ※入社までに取得
- 住友不動産(800点):全採用
- ファーストリテイリング(700点):新卒採用
- 東京電力(700点):新卒採用
- アサヒビール(650点): 新卒採用
高いTOEICスコアは、あらゆる業界・業種の採用担当者の目に留まります。
「学歴に自信がない」「未経験の職種に挑戦する」「履歴書に華を添えたい」という方は、すぐにでもTOEICを受験し、最低でも600点以上を目指しましょう。
昇進や昇格、異動の際に役に立つ
TOEICスコアは、キャリアアップにも一役買います。
特に大企業では、入社条件と同様に、部署異動、昇進、昇格の条件として、TOEICスコアを設定している会社も少なくありません。
以下は一例です。
- パナソニック(900点):国際広報
- 富士通(860点):海外営業、技術職
- 野村HD(860点): グローバル型社員
- KDDI(800点):事務職、技術職
- 日本マクドナルド(800点):海外赴任
- 日本IBM(730点):次長昇格
上記に挙げた企業以外でも、給与や評価アップ、海外部門への異動など、思わぬチャンスを手にできる可能性が広がります。
現状、「自分の会社では英語の使い道はないな」と感じる方であっても、英語力の証明はあらゆる場面で有利に働きます。
日本のマーケットが飽和状態に陥るなかで、海外マーケットの開拓に活路を見出す企業も少なくありませんからね!
「海外営業部を設立するから、希望者は手を挙げて!」なんてことも普通に起こり得るのです。
TOEICスコアは取っておいて損はないでしょう。
英語は世界言語!
海外出張・海外駐在に憧れる、という方はマストだね!(私も会社のお金で海外行きたい。)
ビジネスの決まり文句を効率よく学べる
TOEICはビジネスシーンに特化した試験であるため、仕事に役立つフォーマルな英語表現が目白押しです。
リスニング、リーディングの学習を進めるなかで、ビジネス英語の決まり文句を効率よく学べます。
「英語4技能」という概念が一般化してきた近年、「TOEICは役に立たない」という声も多く聞かれますが、決してそんなことはありません。
たしかに、TOEICの勉強だけで英語が話せるようにはならないですが、話すための「材料」になる英語の知識を蓄えることができます。
英文の社内通達、スラスラ書ける?
海外の英語アナウンス、一発で聞き取れる?
上記の質問すべてにYESと答えられない方には、TOEICの学習は大いに役立つでしょう。
英語を聞く、話すための下地が身に付く
至極当然のことですが、単語や表現を知らなければ、英語を聞き取ることはできません。
また、単語や文法の知識がなければ、自分の思いを言葉にすることもできません。
TOEICの勉強は、スピーキングの上達には直結しないものの、スピーキングに必要な知識をインプットするという観点では非常に有効です。
最低限のインプットもせずにオンライン英会話を受けまくっても、うまく喋れるようにはなりません。
武器を持たずに狩りに行くようなものですからね。労力に見合った収穫は得られないでしょう。
「やればできる」という自信につながる
皆さんご存じのとおり、大人になると褒められる機会は激減します。
その代わり、「上司に詰められる」「厄介な取引先にいじめられる」など、自信喪失に直結する負けイベントが頻繁に発生します。
「自分なんてどうせ…」「いっそなににも挑戦しない方がいい」と悲観的になる気持ちもわかります。
しかし、TOEICスコアは嘘をつきません!
理不尽も不運もなく、頑張れば頑張っただけ成果が出て、スコアに反映されます!
正しい努力をすれば、確実に「私もやればできるじゃん!」という自信を得ることができるのです。
前述のとおり、TOEICには合否が存在しないので、毎回不合格で精神的に消耗する心配もありません。
ちょっとドヤれる
ほとんどの日本人は、英語への強い苦手意識を抱えています。
実際、中学から大学まで、10年間も英語を学んできたのに、満足に自己紹介すらできないことに絶望する方も少なくないはずです。
非常に残念なお話ですが、日本人の英語下手は世界的にも有名です。
しかし裏を返せば、日本ではちょっと英語ができるだけで一目置かれる、デキるやつだと思われます。
つまり日本は、TOEICのハイスコアを世界で最もドヤれる国なのです!
正直な話、一般的にかなり高得点とされるTOEIC900点以上を取得したところで、準ネイティブレベルにはほど遠いのが現実です。
しかし、勝手に英語ペラペラだと思われて尊敬されるのは、ある意味ラッキーなことではないでしょうか?
「スペックに自信はないけれど、得意分野でドヤりたい、かっこつけたい(あわよくばモテたい)」のであれば、TOEICは有力な選択肢になり得ます。
社会不適合者の私も英語のおかげで、かろうじて人生どうにかなってます。
TOEICのデメリット3選
メリットがあれば、必ずデメリットがある、ということで、念のためTOEICのデメリット、弱点も紹介しておきます。
TOEICの勉強だけでは上級者にはなれない
TOEICで問われる英語力は限定的なので、TOEICの勉強を極めても、英語上級者に到達することは不可能です。
そもそもTOEICでは、リスニングとリーディングの力しか問われませんからね。
ストレスなくコミュニケーションが取れる上級者になるには、スピーキング、ライティングの対策も併せて行ない、4技能をバランスよく鍛える必要があります。
TOEIC満点を何度も取るような上級者の多くは、TOEICの勉強をして満点を取ったのではなく、仕事や日常生活、他の英語学習で得た「圧倒的な英語力」によって、満点を取ったケースがほとんどです。
真の上級者を目指すなら、TOEICとプラスαの努力が必須といえます。
TOEIC学習で網羅できる語彙は少ない
TOEICの1回の試験に出題される語彙数は約10,000語といわれており、この数字は他の英語の試験よりも少なめです。
(正式なデータはなく、試験の形式も異なるため、単純な比較はできませんが…)
各試験に出題される語彙数の目安は、ざっくり以下のとおりです。
- TOEIC:10,000語
- 英検1級:10,000~15,000語
- IELTS:6,000語~12,000語
- TOEFL:8,000~10,000語
こう見ると大差はなさそうですが、感覚的にTOEICの語彙数は、英検、IELTS、ケンブリッジ英検よりもかなり少ない気がします。(TOEFLは受けたことないのでごめんなさい。)
さらに、他の試験でガンガン出題される、政治、歴史、文化、科学(化学)、医療、環境といったトピックはTOEICで深掘りされないため、幅広い分野の語彙は身に付きません。
ただし、出題内容や語彙が限定的だからこそ対策しやすく、短期間の学習でもスコアアップが狙えるのは、TOEICのメリットでもあります。
個人的には、TOEICを主軸に英検の勉強も並行するのがおすすめ。
受検者の7割が日本人・韓国人で、国際的なアピール力は弱い
TOEICは、全世界160か国で実施されるグローバルスタンダードな試験とされている一方で、受験者の7割近くを日本人・韓国人が占めているといわれています。
TOEICの海外での知名度や有効性は非常に低く、国際的なアピール力は皆無に等しいのが現実です。
実際、アメリカの大学や企業ではTOEFLが、イギリスの大学や企業ではIELTSやケンブリッジ英検が、英語力を示すおもな基準として採用されています。
TOEICが役立つのは日本と韓国だけ、という事実は知っておく必要があるでしょう。
とはいえ、日本での知名度と信頼性は抜群!日本で役立つ英語の資格を取るなら、やはりTOEIC一択だと思います。
TOEICはメリットがたくさん!これほどコスパの良い自己投資はない
TOEICには一長一短ありますが、全体的に見ればメリットが多く、大変コスパの良い資格といえます。
今回紹介したとおり、英語力の底上げはもちろん、就職や昇進、自己肯定感アップにも役立ちます。
「英語でキャリアアップを目指したい」「なにか誇れるスキルを身につけたい」「英語をかっこよく使いこなしたい」という方は、ぜひTOEIC受験を検討してみてくださいね!